DEX(デジタル従業員エクスペリエンス)向上の実現へ、企業の現場課題とその解決策を探る

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リモートワークの広まりを契機に、デバイスやアプリケーションなど従業員が利用するデジタル環境(Digital Workplace:デジタル・ワークプレイス)の高度化・複雑化が進みました。
同時に、デジタル環境における従業員体験、すなわちDEX(デジタル従業員エクスペリエンス)の向上に取り組む企業が急速に増えています。

DEXを向上するためには、社内のデジタル環境全体を管理し、従業員に快適な環境を整備する必要があります。
企業のIT部門は、管理を効率化しながら、コストを最適化しなければいけません。
こうしたシステムや体制の構築は容易ではないでしょう。

その対策として、米HPが提供するプラットフォーム「HP Workforce Experience Platform (WXP)」が有効な手立てになることを前回のコラム「いま、企業・従業員・IT部門に求められるDEXの向上とは?」で紹介しました。

本記事では、既存のデジタル環境における課題を洗い出したうえで、DEXの向上をどのように実現していけばいいのか――。
そして、HP Workforce Experience Platformを導入してシステムの構築をどう進めていくかを解説します。

1.現場で起きているデジタル環境問題

現場で起きているデジタル環境問題

AIやクラウド、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)などによってデジタル環境が高度になった半面、各接続先に対する設定や管理、申請処理、厳重なセキュリティを伴う接続操作など従業員の負担が増しています。

「接続の操作が分からない」、「通信速度が遅くてオンライン会議が円滑に行えない」、「必要なデータが探しにくい」など業務を阻害する問題も発生し、従業員が不満をつのらせる原因になっています。

そして、企業のIT部門には日々さまざまな問い合わせが寄せられ、その対応に追わるようになりました。
パスワードを忘れたといった単純なものから、通信障害、各種アプリケーションのバージョンアップの不具合など、各種インシデントに対処しなければなりません。
さまざまなデバイス、アプリケーションがネットワークにつながるなか、サイバー攻撃の脅威は高まっており、その対策も求められます。





こうした状況は、業務の生産性を損ねるだけでなく、デジタル環境を重視する人材の離脱を招くきっかけにもなり、新たな人材の獲得にも悪影響を及ぼしかねません。
帝国データバンクの調査によると、正社員不足の企業は半数に上るとされ、人材不足の問題は深刻になる一方です。
従業員の定着率を高めたい経営者にとって、DEXの向上は喫緊の課題といえます。

2.課題解消に向けて情報の一元化がカギ

課題解消に向けて情報の一元化がカギ

デジタル環境に関連して何か問題が起こってから対処するという仕組みでは、従業員とIT部門の双方を疲弊させる状況から抜け出せません。あらかじめ問題が察知でき、事前に対処を施せれば、従業員は煩わしい問題を報告しなくてよく、対処のための時間を待つ必要もなくなります。

こうした体制を整備するには、各種デバイスやアプリケーションの状況を把握し、問題になりそうな点を分析するための仕組みが有用です。

ただし、情報収集から問題把握・分析までの対応がそれぞれ異なる操作環境で行われている状況では、体制の整備は難しく、一連のワークフローをいかに容易かつ効率的に実施できるかがカギとなります。
そのためには情報を一元化し、収集した情報を分かりやすく可視化したり、分析と対応を自動化したりといった包括的なソリューションが求められます。

デジタル環境の情報把握は、企業にとって資産の最適配分につながります。
例えば、デバイスの使用状況が分かれば、従業員へのデバイスの配布を最適化することが可能です。
従業員にとっても、業務を進めるうえで十分な性能を持ったデバイスを利用できるメリットがあります。

3.DEX向上に有効な「HP Workforce Experience Platform(WXP)」

DEX向上に有効な「HP Workforce Experience Platform(WXP)」

各種課題を包括的に解決する製品・サービスは、DEXツールとして各ベンダーが提供しています。その代表的な製品として米HPが提供するHP Workforce Experience Platformを、CTCエスピーはお勧めします。

HP Workforce Experience Platformは、さまざまなデバイスを包括的に管理するプラットフォームです。
監視対象として、PC、プリンター、仮想マシン、携帯電話およびタブレット、アプリケーションなどがあり、WindowsやmacOS、AndroidといったマルチOSかつマルチベンダー環境で各種対象を一元的に監視できます。





問題の把握には、独自の「エクスペリエンス・スコア」を利用します。
エクスペリエンス・スコアは、デバイスの正常性、アプリケーションの性能、セキュリティ、ネットワーク正常性などの収集した情報と従業員の満足度を組み合わせ、職場環境のエクスペリエンスを包括的に表したスコアです。
問題やセキュリティリスクを検知した場合は、アラートと推奨する対処を提示する機能を備えます。
また、アップデート情報や問題に対する通知などを特定のグループだけに絞って送信することも可能です。

AIを活用したデバイス管理と自動トラブル対応

分析や対応においては、各種デバイスの異常検知に対してまずAIを用いる点が大きな特徴です。
デバイスのCPUやメモリの使用率、温度などの異常なパターンを検知し、AIによって自動的に問題への対処を実行することが可能です。
問題に対処するスクリプトコードをスケジュールに沿って自動実行するなど、手作業を最小限にするように設計されています。
セキュリティ面においても、ドライバーにポリシーやソフトウェアの更新などを定めておけば、コンプライアンスに関する内容を自動で適用できます。

ITコストを最適化する機能にもAIを適用します。
例えば、AIがデバイスのパフォーマンスや利用状況、ライフサイクルなどを分析し、PCを交換する最適なタイミングを知らせます。

既存ツールと連携した統合的なサポート体制

サポート体制の構築には、既存の各種ツールと連携できます。
主要なITサービス管理ツールやデータ分析ソフトウェア、ID・アクセス管理ソフトウェアなどと連携可能です。
これらのツールとWXPから得たデータを連携することで、ワークフローを統合することができ、運用管理やデータ分析の効率化を図れるでしょう。

4.継続的なDEXの維持と向上へ

継続的なDEXの維持と向上へ

デジタル環境は日々進化しているため、継続的にDEXを高めていく仕組みも大切です。HP Workforce Experience Platformは、従業員が利用するデジタル環境において「どの程度満足しているか」を可視化するための仕組みを備えています。

その代表的な機能の1つが、従業員へのアンケートによる情報収集です。
収集したアンケート結果をAIが分析し、デバイスのパフォーマンス情報と組み合わせて調べることも可能です。
アンケートのカスタマイズ機能を用いれば特定のトピックに対する満足度も測れます。

前述したエクスペリエンス・スコアは、デバイスの情報とユーザー満足度という感情データを組み合わせて算出されます。
スコアは対象デバイスごとに毎日更新され、対応すべき事項があればAIによって示します。
これらの情報を活用することで、DEXの維持にとどまらず、さらなる向上を目指した施策の実行が可能になります。

5.WXPに用意される3つのプラン

WXPに用意される3つのプラン

HP Workforce Experience PlatformはSaaSとして提供され、管理対象にソフトウェアをインストールして利用します。利用人数と期間によって課金するモデルのため、幅広い企業規模に対応できます。

プランは3つ用意されています。
最小構成のプランである「Standard」は、デバイスの正常性分析とインサイト分析、従業員の満足度調査など基本的な機能を備えます。
Pro」は、Standardの機能に加え、高度な監視やアラートおよび修復機能、AIによる異常検知、従業員エンゲージメント向け機能など各種機能が利用できます。
最上位の「Elite」は、主にAI機能が強化されたもので、AIを活用した自然言語検索(無制限のクエリ利用)やAIによる従業員センチメント(感情)分析が可能です。

Standard
スタンダード

デバイスの可視性と制御に不可欠なツールとサポートを利用できます。

主な機能:

  • デバイスの正常性分析と洞察
  • BIOS ポリシーの展開
  • Windows 11 の準備状況
  • 従業員満足度調査
  • 主要なインテグレーション

Pro
プロ

デジタル経験を強化し、改善ツールと従業員エンゲージメントツールで問題を迅速に解決します。

Standardプランの全てに加えて以下の機能:

  • 高度な監視、アラート、修復
  • AIによる異常検知
  • 従業員のセンチメントとエンゲージメント
  • AIを活用した自然言語検索(限定的なクエリ)
  • 追加のインテグレーション

Elite
Eライト

最も複雑なITの課題を克服し、最先端のAI機能で運用を合理化します。

Proプランの全てに加えて以下の機能:

  • AIを活用した自然言語検索(無制限のクエリ)
  • AIによるセンチメント分析

HPのWebサイトでは、企業におけるPCやモバイル端末の数、PCなどの更新サイクル、ヘルプデスクへの依頼数などによって、年間の推定コスト削減額を算出します。

まずは、HP Workforce Experience Platformでどの程度のコスト削減効果が得られそうかを確認してみてはいかがでしょうか。

CTCエスピーのDEX向上支援

CTCエスピーでは、お客様の環境・課題に合わせたDEXの向上に向けた提案・価格プランをご紹介いたします。
ぜひお問い合わせください。

DEX向上に向けた最適なプランをご提案します。
まずはお気軽にご相談ください。

参照リンク
DEXの解説:https://workforceexperience.hp.com/what-is-digital-employee-experience
WXPの概要:https://jp.ext.hp.com/business-solution/workforceexperience