生成AIを業務に活用する企業が急速に増えています。
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によれば、生成AIの活用方針を定めた日本企業は約5割に達しました。
その一方で、多くの企業がAI導入を懸念する理由として「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」を挙げています。
さらにIPAが2026年に発表した脅威ランキングでは、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて上位に入りました。
便利さの反面、多くの担当者が「顧客データをAIに入れても大丈夫なのか」という不安を抱えています。
本記事では、クラウドAIに潜む情報漏えいリスクと、その解決策として注目される「AI PC」の仕組み、そしてクラウドとローカルを賢く使い分ける方法までを、分かりやすく解説します。
1. 便利なクラウドAIの落とし穴、知っておくべき「情報漏えいリスク」

企業における生成AIの活用が急速に広がっています。
総務省の「令和7年版 情報通信白書」によれば、生成AIの活用方針を定めた日本企業は2024年度調査で約5割(49.7%)に達し、前年度(42.7%)から着実に増えています(*1)。
一方で、同調査では、AI導入をためらう理由として「効果的な活用方法がわからない」が最も多く、次いで「社内情報の漏えい等のセキュリティリスク」が上位に挙がっています。
「使いたいが、情報漏えいが不安」というのが、多くの企業の本音だといえるでしょう。
その不安を裏付ける調査があります。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が2026年1月に発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が組織向け脅威の第3位に、初めてランクインしました(*2)。
このランキングは、IPAが2006年から年次で発表してきたもの。AIの利用で想定されるサイバーリスクには、悪意ある外部からの攻撃だけでなく、AIへの理解が不十分なことによる「意図しない情報漏えい」も含まれます。
つまり、日常の何気ない使い方そのものがリスクになりうる、ということです。
「そのデータをAIに入れて大丈夫?」クラウドAIに潜むリスク
ChatGPTをはじめとする多くの生成AIは「クラウドAI」、つまり入力した内容をインターネット経由で社外のサーバーに送って処理する仕組みです。ここに、見落としがちな落とし穴があります。
- 入力した情報が、AIの学習データとして使われる可能性がある(サービスや設定による)
- 入力内容や会話履歴が、事業者側のサーバーに保存される
- 会社が許可していないAIツールを従業員が個人判断で使う「シャドーAI」が広がる可能性がある
たとえば、顧客リストや商談メモ、未公開の資料をそのままクラウドAIにアップロードして要約させるというような一般的な操作により、業務上の重要な情報が社外に流出するおそれがあります。
実際に、海外では従業員が機密情報をAIに入力して外部に流出した事例も報告されており、「そのデータをAIに入れて大丈夫か」という問いは、いまや企業が向き合う大きなテーマになっています。
また、IBMとPonemon Instituteが発表した「Cost of a Data Breach Report」(データ侵害のコストに関する調査)の2025年版(*3)でも、AIを管理したり、シャドーAIの増加を防止したりするためのAIガバナンス・ポリシーが欠如していた組織の割合は63%にのぼり、AI導入の拡大に対してセキュリティ統制が追いついていない実態が明らかになっています。
*1総務省 令和7年版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112220.html
*2IPA プレス発表「情報セキュリティ10大脅威 2026」を決定(2026年1月29日)
https://www.ipa.go.jp/pressrelease/2025/press20260129.html
*3IBM「Cost of a Data Breach Report 2025」
https://www.ibm.com/reports/data-breach
2. 「AI PC」が企業のセキュリティに強い理由
こうした状況に対し、企業のAI利用に適したPCとして期待されているのが「AI PC」です。
AI PCはAI処理に特化した「NPU」(Neural Processing Unit)という専用プロセッサーを搭載しています。
このNPUのおかげで、「クラウドAI」を利用することなく、文字起こしや要約、翻訳、画像処理といったAIの処理を、パソコン本体(ローカル)で完結できます。
つまり、AI PCは「情報を社外に出さずにAIを使える」点で、企業のセキュリティと相性の良いPCなのです。
ローカル処理だから、情報を社外に出さない
クラウドAIとローカルAI(AI PC)の最大の違いは、「データがどこへ保存されるか」です。
- クラウドAI:入力データが社外のサーバーへ送られて処理される
- ローカルAI(AI PC):入力データが端末内で処理されるため、社外に出ない
データを社外へ送らずに処理できるため、通信中の情報漏えいや、AIサービス事業者のサーバーでデータが保存・学習利用されるリスクを低減できます。
「データを外に出さない」ことで、安心してAIを活用できるのです。
クラウドAIとローカルAI(AI PC)のデータの流れの違い
手元のPCに情報が集まっても安全な理由
「ローカルで処理するなら、PCの紛失や不正アクセスがあった場合、かえって情報漏えいのリスクが高まるのでは」と感じるかもしれません。
しかしビジネス向けのAI PCは、端末に集まる情報を守る仕組みを標準で備えています。
たとえばHPのAI PCなら、ディスク全体を暗号化して紛失・盗難時の抜き取りを防ぎ、暗号鍵を守る専用チップ「TPM 2.0」、その通信を物理的な攻撃から守る「HP TPM Guard」、マルウェアを検知・隔離する「HP Wolf Security」、起動の土台を守る「HP Sure Start」などが多層的に機能します。
「データを外に出さない」だけでなく「手元のデータそのものを守る」この両輪がそろって初めて、顧客データを安心してAIで扱えます。
3. 「クラウド」と「ローカル」を賢く使い分けるハイブリッド活用術
とはいえ、「すべてをローカルで完結させなければならない」と考える必要はありません。
クラウドAIには、最新・大規模なAIモデルを手軽に使えるという大きな強みがあります。大切なのは、扱う情報の機密度に応じて両者を使い分ける「ハイブリッド活用」の考え方です。
判断の目安はシンプルです。
社外に出しても問題ない情報はクラウドAIで処理させ、社外に出せない機密情報はローカル(AI PC)で処理する。
この線引きを社内ルールとして決めておくだけで、利便性を保ちながら情報漏えいリスクを大きく減らせます。
| 情報の種類 | おすすめの処理先 | 具体例 |
|---|---|---|
| 社外に出してよい情報 | クラウドAI | 公開情報の調査、一般的な文章の要約・翻訳 |
| 社外に出せない機密情報 | ローカル(AI PC) | 顧客情報を含む資料、社外秘の議事録、未公開の企画書 |
クラウドとローカルの使い分けの目安
たとえば、一般的な文章の要約や公開情報の調査はクラウドAIで効率的に処理させるのが有効です。
一方で、顧客の個人情報を含む資料の要約、社外秘の議事録作成、未公開の企画書のブラッシュアップなどは、AI PCのローカル処理が有効です。
つまりAI PCを活用していれば、「機密情報は手元のPCでAI処理できる」という選択肢を、ユーザーである社員が持てるようになります。
4. 安心・安全なAI活用を支えるおすすめモデル:HP EliteBook X G2i 14 AI PC
AI PCを選ぶ際は、NPU性能だけではなく、セキュリティ機能や携帯性、管理性まで確認することが重要です。ここでは、その条件を満たす代表的なモデルをご紹介します。
AI PCとして、セキュアなAI活用を1台で実現できるのが、「HP EliteBook X G2i 14 AI PC」です。
これは、Copilot+ PCの基準を満たす高性能なNPU(最大50TOPS)を搭載し、AI処理をローカルで快適に実行できます。
さらに、上述した暗号鍵を安全に扱う「TPM 2.0」や、脅威を検知・隔離する「HP Wolf Security」など、端末を多層的に守るセキュリティ機能を標準で装備。
これにより、「データを外に出さない」AIのローカル処理と、「端末を堅牢に守る」ハードウェアの両輪で、機密情報を扱うオフィス利用であっても、セキュアに、安全に業務効率化に貢献することができます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| AI性能 | NPU性能は最大50TOPS(Copilot+ PC準拠)で快適なローカルAI処理に対応 |
| セキュリティ | TPM 2.0/HP Wolf Security/HP Sure Start |
| 携帯性 | 約999g・14インチ |
| 通信 | HP eSIM Connect対応(一部モデルのみ) |
HP EliteBook X G2i 14 AI PC の主なスペック(セキュリティ視点)
本体は約999gの軽さで持ち運びやすく、eSIM Connect対応モデルであれば、外出先でもセキュリティが不安な公共Wi-Fiを避け、安全にネット接続できる点も機密情報を扱う企業での利用に適しています。
HP EliteBook X G2i 14 AI PC
5. まとめ
生成AIの活用が広がる今、企業にとっての最大の関心事は「便利さ」と「安全性」の両立です。
クラウドAIは手軽に高性能なAIモデルを利用可能な反面、入力した情報が社外に漏れる可能性がある構造的なリスクを抱えています。
IPAが最新の10大脅威に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」を挙げたように、これは一部の企業だけの問題ではありません。
AI PCは、AI処理をローカルで完結させることで「情報を社外に出さない」選択肢をもたらします。
情報の機密度に応じてクラウドとローカルを使い分ける“ハイブリッド運用”により、利便性を損なわずに、安心・安全なAI活用が可能になります。
CTCエスピーでは、AI PCの選定から、社内での安全な生成AI活用ルールづくり、セキュリティ対策までをトータルでご支援しています。
「顧客データを守りながらAIを活用したい」「自社に合ったAI PCを知りたい」といったご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
CTCエスピーのAI PC導入・活用支援
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参照リンク
プレスリリース |AIPCを活用した新サービス「Digital Workplace forAI」を提供 | CTCエスピー(株)
