便利な新機能「Asana Intelligence」をプロンプト付きで解説
企業のハイブリッドワークが進み社員がそれぞれ違う場所で働くのは当たり前。
離れていても、ゴールの共有、チームの業務状況の整理やタスクの見える化により生産性を高める、それがワークマネジメントツール「Asana」です。Asanaも最近の流行りにしっかり乗り、生成系AIを使用した各種機能を搭載しています。この記事では、その機能、総称「Asana Intelligence」を簡単にご紹介します。
目次
Asana(アサナ)とは?
ここまで当たり前のように「Asana」と言っていますが、Asanaって何かご存じない方もいるかもしれません。
Asanaとは、ワークマネジメントプラットフォームのクラウドサービスです。
ワークマネジメント??
プロジェクト管理の拡張で、開発等のよく使われるプロジェクト管理だけでなく“あらゆる仕事”を可視化。関わるチームや会社全体も含めて仕事を楽にするための色々な機能を組み込み生産性を向上させる考え方で、Asanaはその助けとなるクラウドサービスで、全世界200ヶ国147,000社以上で導入されています。
新機能「Asana Intelligence」とは?
Asana Intelligenceで使用する生成系AIは3種あり、利用者側でどのAIを使用するのか複数選択できます。
- Asana独自AI
- OpenAI
- Anthropic
“生成系AIを使用したサービス利用”については、各企業でポリシー、ルールを決められていることが多いと思います。特に、自分たちのデータが外部で保存され分析の元データとして使用されているのではないか?という懸念を持ち採用に至らないということもあると聞きます。でも、Asana Intelligenceの場合、決して外部にデータが保存され使用されることはありません。Asanaの規約の一つである“Asanaプライバシーステートメント”でもしっかり明記されておりますので、ご安心ください。
それでは、本題です。
各機能について
AsanaのAI機能は5種類あります。
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機能名 |
詳細 |
対応ライセンス |
① |
スマートエディター |
タスク説明欄やコメント欄のテキスト構成 |
新、旧ライセンス 両方 |
② |
スマートサマリー |
タスクの要約とサブタスクのドラフト作成 |
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③ |
スマートフィールド |
新規プロジェクト発足時に管理項目の素案を作成 |
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④ |
スマートステータス |
更新、操作履歴から最新のステータスを自動収集 | 新ライセンス のみ |
⑤ |
スマートアンサー |
Asanaプロジェクト内のことを 自然言語で質問・相談 |
※対応ラインセンス
新ライセンス体系(2023年11月~):Starter、Advanced、Enterprise、Enterprise+
旧ライセンス体系:Premium、Business、Enterprise
①スマートエディター
タスク説明欄やコメント欄のテキスト構成
タスク内の説明やコメント等を簡潔にしたい、うまく書けないという時に支援してくれる機能です。
適切な文体で説得力のある文章にしてくれます。
【スマートエディター】3ステップ
(1)説明欄またはコメント欄にテキストを入力し、修正したい文章を選択します。
(2)“AIアシストオプション” → “文章を編集”をクリックします。
(3)Asana Intelligenceで生成された文章が表示されます。“トーンと長さ”をクリックし、好みのトーンを選択して文章を出力させます。
生成系AIは、決して“正しさを保証しません”。生成された文章は、しっかりチェック修正し、“置換”ボタンを押しましょう。
ちなみに、「プロフェッショナル」と「丁寧」で編集した文章は以下のような結果になります。微妙にニュアンスが異なるのがわかります。
[元ネタ]
ヨーロッパでいい感じのデータセンターがいくつか見つかったから、契約をしてみました。
ウェブで新規ヨーロッパデータセンター開設をリリースしようと思ってるんだけど、いい案無いかな?
[プロフェッショナル]
ヨーロッパでいくつか素晴らしいデータセンターを見つけたため、契約をしました。ウェブ上で新しいヨーロッパデータセンターの開設を発表しようと考えていますが、良いアイデアはありませんか?
[丁寧]
ヨーロッパでいくつか素晴らしいデータセンターを見つけましたので、契約をしてみました。
ウェブ上で新しいヨーロッパデータセンターの開設を発表しようと考えていますが、何か良いアイデアはありませんか?
②スマートサマリー
タスクの要約/サブタスクのドラフト作成
現在スマートサマリーには、二つの機能があります。
- タスクを要約する
- サブタスクのドラフトを作成する
説明欄にこれまでたくさんのコメントのやり取りがあるタスクを一緒に行う場合、「コメント見ておいて!」とするのか、時間を取って新メンバーに説明をするのか…そんな時はスマートサマリーでタスクの要約を自動で行ってくれると便利ではないでしょうか?
【タスクの要約】3ステップ
(1)タスクの説明欄のAIアシストオプションを選択し、“タスクを要約”をクリックします。
(2)コメント欄の上に 要約が表示されます。コピーするかコメントとして表示させます。
(3)“編集”をクリックし、適切な編集を加えたのち“コメント”をクリックしてください。
主タスクの説明欄に書かれている内容から想定されるToDoをサブタスクにドラフトとして作成することができます。
Asanaでは「打ち合わせ」というタスクの説明欄に議事録やメモを残すことがよくあります。その打ち合わせで発生したToDoをタスク・サブタスク化して管理していく際、議事録やメモから想定されるToDoをサブタスクにドラフトとして作成することができます。
【サブタスクのドラフト作成】2ステップ
(1)AIアシストオプションから“サブタスクのドラフトを作成する”をクリックします。
(2)自動でサブタスクが生成されます。修正が必要なものは修正し、必要のないものは削除して サブタスクを追加します。
説明欄の文体によってタスク化の精度が高くなるので、確認事項等ToDoになる可能性のものは、“~する”という実行形式の文体にすると精度が上がります。議事が長い場合、一からサブタスクを作成するより時間短縮に繋がります。
③スマートフィールド
新規プロジェクト発足時に管理項目の素案を作成
Asanaで新規のプロジェクトを作成する場合、その業務を管理するのに適切なカスタムフィールドとして何が必要なのか、案を提供してくれる機能がスマートフィールドとなります。
管理項目は基本的に自分達で考える必要がありますが、足りない部分を補ってくれる可能性があります。
新規プロジェクトを作成し、スマートフィールド機能を使ってみましょう。
【スマートフィールド】4ステップ
(1)右上の“カスタマイズ”をクリックし、“フィールドを提案”を選択します。
(2)プロジェクトの説明欄に説明を記入し、“フィールドを提案”をクリックします。
(3)結果を確認、加筆修正し追加をしましょう。
(4)プロジェクトを確認するとカスタムフィールドが追加されていることが分かります。足りないものは手動で追加しましょう。
まとめ
プロジェクト管理を導入するお客様でよくお困りごととして挙がるのが、管理するためにどんな情報が必要なのか慣れていないため分からない!ということがあります。この機能を使えば、一つの案として情報が手に入るので結構使える機能かと思いますよ。
Asana Intelligenceの残り2つの機能は「解説記事②」へ続きます!
④スマートステータス:更新、操作履歴から最新のステータスを自動収集
⑤スマートアンサー:Asanaプロジェクト内のことを自然言語で質問・相談
別所 雄三
2000年にインフラ系システムエンジニアとしてCTCエスピーに入社。仮想化、バックアップ、セキュリティなど幅広い分野で顧客支援を行い、この10年は次世代技術・新製品開発を中心としたソリューション・ビジネスデザインに従事。
社外活動として"人に優しいAIの実現"を目的とするローカルAIコミュニティを運営中。夢は生きてる間に火星に行くこと。気分転換は野球、ボーリング、料理(イタリアンと中華が得意)。