情シス必見!ワークマネジメントで在宅勤務の生産性を向上し、オンラインコミュニケーションの無駄を削減する方法

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コロナ禍により在宅勤務が普及し、Web会議やチャットなどを使ったオンラインコミュニケーションが当たり前になりました。場所を問わず気軽にやり取りすることができて便利な半面、対面よりも組織全体の状況が把握しづらいことに悩む声も上がっています。また、以前は口頭で簡単に伝えられた内容も、チャットやメールで伝えようとすると時間が掛かってしまい、「仕事のための仕事」が発生するリスクもあるでしょう。

そうした背景から出社の重要性が見直され、在宅勤務と出社を選択できるハイブリット勤務が広まっています。働く場所を1人ひとりが自由に選べるように、オンラインコミュニケーションの無駄を削減して生産性を向上する「ワークマネジメント」という考え方が提唱されるようになりました。

今回は、情報システムの担当者向けに、ワークマネジメントの方法や、プロジェクト管理・タスク管理の違いについて解説します。タスクやプロジェクトという視点からチーム全体の生産性と効率性を上げるツールも紹介しますので、参考にしてください。

在宅勤務でWeb会議ツールを導入したが仕事がしにくい…

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新型コロナウイルスのパンデミックによって、人々の働き方は大きく変わりました。オフィスに集まってフェイスツーフェイスでコミュニケーションを取るこれまでのあり方から、 Web 会議ツールを使って自宅やサテライトオフィスなどそれぞれが離れた場所にいながらコミュニケーションするあり方へ変化しています。

新しいオンラインコミュニケーションでは、対面で行っていたときとは異なるコミュニケーションスタイルが求められます。以前は遠隔地とのやりとりはメールや電話に頼らざるを得ない状況でしたが、現在は、使いやすい Web 会議ツールが登場し、手軽にまるでその場にいるような感覚でリアルタイムのやりとりできるようになりました。

その意味では、コミュニケーションは以前とほとんど変わらずに行うことができると言えます。実際、 2020 年の緊急事態宣言以降、 Web 会議ツールは多くの企業で採用され、必要があれば出社勤務から在宅勤務に切り替えてオフィスにいるように仕事を進めることができるようになっています。ほかにも、近年急速に普及するチャットツールの効果も大きいでしょう。

しかし、こうしたツールだけでは仕事がしにくいというのも事実です。例えば、チームで仕事をすると、仕事の割り振りや進捗の確認、報告といったコミュニケーションが発生します。言い換えれば自身が本来注力すべきである仕事ではなく、「仕事のための仕事」が必然的に増えます。

Asana 社では、「仕事のための仕事」の代表例として、「仕事についてのコミュニケーション、情報の検索、アプリの切替、優先事項の変更、仕事のステータスの追跡など」を挙げており、 同社の調べによると 、ナレッジワーカーは職場で 60% の時間を技術的な仕事ではなく、仕事のための仕事に費やしているといいます。

タスクやプロジェクトではなく「仕事」という単位を管理するべき

確かに、 Web 会議やチャットツールを使えば、複数のメンバーが情報をリアルタイムに共有したり、相手の表情を見ることで仕事の進み具合やメンバーの調子を確認したりすることができます。

ただ、実際に仕事にとりかかる際は、各メンバーが 1 人で集中して作業するというケースがほとんどです。資料作成やレポート集計、実績値の入力、分析など、複数人でコラボレーションするよりも、 1 人で集中して作業を行うことでより生産性が高まる仕事は多くあります。

このように、 1 人で集中したいときに、進捗を確認する連絡への対応や Web 会議が入ってしまったらどうでしょうか。

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メールやチャットの対応時間が増えて作業に集中できなくなったり、Web会議でのミーティングばかりで1日の予定が埋まってしまったりして本来の仕事ができないという悩みが増えています。「仕事のための仕事」に追われている状態です。その結果として、ほかの人が何をしているかわからなくなったり、チームがどんな目標に向かって仕事をしているのか分からなくなったりしてしまうのです。

こうしたチーム作業におけるコミュニケーションは、日本に限った話ではありません。そこで登場したのが「ワークマネジメント」という考え方です。ワークマネジメントは、チーム作業の課題を、タスクやプロジェクト、勤怠といった細かな単位で解決するのではなく、「仕事」という大きな枠組みのなかで解消しようという考え方です。

ワークマネジメントとは

ワークマネジメントの基礎知識と、ハイブリット勤務に取り入れる際の効果について解説します。

ワークマネジメントの意味

ワークマネジメントとは、組織全体で行われている日々のワークフローを計画・管理する手法のことです。「目標到達までに必要なプロセスをタスクとしてリストアップする「タスク管理」と、タスクの進捗状況を把握するための「工程管理」の2つに分けることができます。

ハイブリット勤務でワークマネジメントを行う効果

仕事単位で管理することで、マネジメントやスケジュールの調整に掛かるワークフローをシステム化することが可能です。たとえば営業の場合、ミーティングや商談などアポイントが必要な予定以外は把握されていない傾向にあるという調査結果が出ています。ワークマネジメントによって各々が抱える仕事の可視化は、スケジュールの調整に必要なコミュニケーションを最小限に抑えるのに効果的です。それにより、各々が自分の仕事に集中できて組織の生産性向上に繋がります。

※参考:
営業日報、約4割が「活動報告レベル」の実態 日報業務の課題、「提出自体が目的」、「形骸化」の声多数|株式会社給与アップ研究所のプレスリリース

プロジェクト管理との違い

プロジェクト管理は、1つのプロジェクトが完了するまでのプロセスを管理するものです。一方、ワークマネジメントでは組織全体で行われている複数のプロジェクトを網羅的に管理します。そのため、ワークマネジメントは複数のチームを束ねるマネージャーや、人事が担当する業務です。プロジェクト管理はワークマネジメントの一種だと言えるでしょう。

ワークマネジメントのポイント

ワークマネジメントに取り組む上で重要なポイントを2つ紹介します。

ワークフローの見える化

各プロジェクトでは、具体的にどのくらいの工数が掛かっているかを可視化します。可視化する上で現場への情報収集を行い、作業内容や方法、時間、頻度などを明確にすることが重要です。

タスクの実行責任者を明確化

タスクごとに担当者を割り振り、タスク完了に対しての責任の所在を特定してください。責任者を明確にすることで、タスクの重複やタスク漏れを避ける効果があります。

現場の生産性向上に必要なこと

ワークマネジメントの方法によっては、実際に業務を担当する部署やチームの生産性を悪化させてしまうかもしれません。ここでは、現場をサポートするワークマネジメントを行う上での注意点を解説します。

現場にも裁量を持たせる

経営陣や人事による俯瞰的なワークマネジメントは重要ですが、部署やチーム内で行うプロジェクト管理やタスク管理も不可欠です。現場に管理を任せる余地を残すことで、柔軟性の高いワークマネジメントを実現できます。

現場と認識を揃える

ワークマネジメントにおける裁量と、プロジェクト管理やタスク管理の裁量の範囲が重なってしまうと、調整する手間が必要になります。生産性向上を図るためには、ワークマネジメントとプロジェクト管理・タスク管理の範囲の認識を、現場とマネジメント側で一致させることが重要です。

プロジェクト管理、タスク管理のポイント

現場でのマネジメントをスムーズに行うためのポイントをそれぞれ解説します。

プロジェクト管理をスムーズに行うためのポイント

まずはプロジェクトの目標を明確にし、達成に必要な役割を果たすことができるチームメンバーを集めてください。プロジェクトスタート後は、達成までのプロセスを随時共有することが重要です。ツールを活用して進捗を共有する過程を自動化すると、スムーズにプロジェクト管理を行うことができます。

タスク管理をスムーズに行うためのポイント

タスクの大小を問わず、プロジェクト達成までに必要なタスクをリストアップしましょう。それにより、割り振るタスクが個人のキャパシティに合うかどうか判断できます。自分のタスクが多すぎることに気づくことができれば、誰かに手伝ってもらうという選択肢を早めに持つことも可能です。タスクを割り振ったり、ツールを導入してキャパシティに合うか判断したりするプロセスを自動化することで、プロジェクト全体のプロセスもスムーズになります。

仕事を効率化し、生産性を向上させるクラウドサービス「Asana」

ワークマネジメントを実践するためのツールとして世界的に採用が広がっているのが「 Asana 」です。

Asana は、プロジェクト、タスク管理をコア機能に、チーム全員が多彩な機能とアプリケーション連携を活用して仕事の生産性を向上させるためのクラウドサービスです。
提供元の Asana 社は、元 Facebook CTO Facebook 社員の生産性向上に携わったエンジニアによって 2008 年に設立された企業で、現在、世界 195 ヵ国 9 3000 以上の組織にサービスを提供しています。

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コンテンツ管理やコミュニケーションを統合してタスク管理を効率化

Asanaの特長は大きく3つあります

操作が簡単

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Asanaでは「チームメンバー全員が主役」になれます。一般にタスク管理ツールやプロジェクト管理ツールは、全体を管理する管理者がいて、タスク作成やステータスの移行、完了などを最終的に管理者が管理する仕組みです。これに対し、Asana は、個人のタスクを起点とし、そこからチームのタスクやプロジェクト、それら全体の管理を行うこともできます。

タスクを多角的に可視化して把握

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個人と組織の動きを簡単に確認できるため、可視化された進捗や負荷状況を見ながら、フォローアップにかかる時間を節約できます。自分のタスクやチームの活動が可視化され、綿密な管理から解放されます。

活動を目標に結び付けて管理

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個人の日々の活動・業務や組織のパフォーマンスを目標と紐づけ、仕事の成果が可視化できます。目標管理手法「OKR(Objectives and Key Results)」に沿った管理が可能です。

Asanaを活用することで実現できること

Asanaをワークマネジメントやプロジェクト管理、タスク管理に役立てる方法を紹介します。

個人・プロジェクト単位の成果を可視化

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「ゴール」機能では、個人・チーム・会社という3つの階層で目標を設定することができます。個人のパフォーマンスがチームや会社全体にどれほど貢献しているかが可視化されるため、日々の活動・業務のやりがいにつながるでしょう。

プロジェクトの進行状況を可視化

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プロジェクトのプロセスを視覚的に表す「タイムライン」機能や、個人の仕事量を可視化する「ワークロード」機能を活用すると、プロジェクト単位と個人単位の負担を簡単に確認できます。負担が偏っている、進捗が芳しくないといった場合に気づきやすいため、フォローアップに掛かる時間を大幅に減らせます。

スケジュール調整・報連相を自動化

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Asanaは、メールやビジネスチャット、オンラインストレージなど100以上のツールと連携可能です。Asanaのプラットフォーム上で割り振ったタスクをGoogleカレンダーに自動で登録したり、Slack上で依頼されたタスクをクリック1つでAsanaに登録したりすることができます。スケジュールの調整や進捗報告に掛かる手間を抑え、やるべき仕事に集中できるでしょう。

タスク・プロジェクト管理から社員オンボーディングまで幅広い用途

Asana の使い方は、単独で利用するというよりも、さまざまなコミュニケーションツールと連携して利用するスタイルがおすすめです。 Asana は、 Web 会議ツールの「 Zoom 」や「 Microsoft Teams 」、ファイル共有サービスの「 Box 」、 CRM の「 Salesforce 」、分析ツールの「 Tableau 」、メール「 Outlook 」など、さまざまなサービスと連携できます。

例えば、 Outlook のメールから、個人のタスクを作成し、それを Asana 上でメンバーと共有しながら、プロジェクト上のタスクとして管理することができます。タスクは一度作成すると、かんばんボード、リスト、カレンダーなどさまざまな形式で表示できます。タスクのスケジュールから、タイムラインという WBS やガントチャートに近い管理画面を表示することもできます。

仕事という大きな単位で管理する発想のため、アンケートシステムや問い合わせ受付システムなどにも応用できます。例えば、ユーザーからの問い合わせを Asana のタスクとして受け付けることで、案件の振り分け業務などの手間をなくし、仕事そのものを効率化することができます。

チェックリストや手順書として、新入社員のオンボーディングに利用しているケースもあります。タスクを 1 つひとつユーザー自身が確認していくことで、新入社員への説明などの手間を削減できます。

「無駄の削除」「現状の可視化」「目標達成の管理」を実現

Asana を利用するメリットは以下のものが挙げられます。

本来の仕事に集中

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メールやチャットを探す時間を減らし、やるべき仕事に集中できるようになります。メールやチャットから簡単にタスクを作成でき、仕事全体をAsanaというプラットフォームで管理できるので、「仕事をするための仕事」から解放されます。

素早い現状把握

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ほかの人が何をしているかなど、いちはやく現状を把握できます。タスク管理だけではなく、タスクごとやチーム、プロジェクト専用のコミュニケーションができるので、現状把握が素早くでき、コミュニケーションのスピードと品質が高まります。

目標に沿った全体管理

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目標と主な結果(=OKR)に沿った全体管理ができるようになります。チーム・組織には目標があります。戦略から実行まで、ビジネスの全工程の進捗をリアルタイムで確認でき、次に起こすべきアクションを把握します。そのうえで、会社、組織の目標とプロジェクトのステータスの関係を明らかにし、目標達成までを一貫して管理できます。

チーム作業のコミュニケーションの課題を解消しながら、こうした「無駄の削除」「現状の可視化」「目標達成の管理」を実現することが重要です。

CTCエスピーではAsanaを導入してさまざまなツールと連携させることで、製品個々の価値から仕事の効率化を実現するための仕組みに変化させることが重要だと考えています。Asanaを効果的に活用する方法などのご提案もできますので、ぜひご相談ください。