コラム/トピック 2022/01/20 Tweet Chromeリモートデスクトップなら、テレワーク中もオフィスのパソコンを使える テレワークが増えるにつれ、「自宅でも快適に仕事ができる環境を整えたい」という要望が増えてきました。自宅や外出先など、離れた場所からオフィスのパソコンを使うときにお手軽なのが「Chromeリモートデスクトップ」です。Googleアカウントがあれば基本的に無料で使うことができ、マシンの種類やOSを選びません。この記事では、急遽リモートデスクトップが必要になったシーンを想定して、Chromeリモートデスクトップの概要や接続方法、注意点について説明します。 Chromeリモートデスクトップとは Chromeリモートデスクトップは、Googleが提供するリモート接続サービスです。「Google Chrome」の拡張機能の一つとして提供されています。 Googleのサーバーを経由することで、VPNなどを使わずに離れた場所から社内ネットワークにアクセスでき、社内のPCを遠隔操作することが可能です。 情報システム部門ではない、一般のユーザーでも比較的簡単に使えます。利用時にあらためて準備するものが少ないため、リモートデスクトップの中でも導入しやすい方法といえます。 リモートデスクトップとは インターネットを経由して、「手元の端末」から「離れた場所にあるパソコン」にアクセスし、遠隔操作をする技術の総称です。リモートデスクトップを利用すれば、「オフィスにあるパソコン(ホスト)」のファイルを「自宅の端末(クライアント)」にダウンロードすることができます。また、「自宅の端末」から「オフィスのパソコン」にファイルをアップロードすることも可能です。 テレワークが増えるにつれてリモートデスクトップを利用するユーザーが増えており、Chromeリモートデスクトップだけでなく、さまざまな方法が使われています。 リモートデスクトップについては、次の記事も参考にしてください。 ▶「リモートデスクトップを導入する最もシンプルな方法とは?」 ▶「VPNとリモートデスクトップを組み合わせて安全なテレワークを実現する」 Chromeリモートデスクトップの特徴 無料Google Chromeの拡張機能なので、インターネットにつながっていれば、誰でも無料で利用できます。 ブラウザベースで利用可能、対応OSが多いGoogle Chrome上、つまりブラウザ上で動作するため、さまざまな種類の端末、OSで使用できます。 ホストとして使えるOS:Windows、macOS、Linux、Chromebook クライアントとして使えるOS:Windows、macOS、Linux、Chromebook、iOS、Android 必要なものが少なく、技術的にも難しくない ネットワークや端末で必要となる設定が少なく、操作も簡単です。そのため、一般ユーザーでも手軽に利用できます。 Chromeリモートデスクトップに必要なもの 次のものがあれば、Chromeリモートデスクトップを利用できます。 Googleアカウント(ホストとクライアントで共通のものを使う) Webブラウザ「Google Chrome」と、その拡張機能 Google Chromeを操作できる端末 インターネット環境 Chromeリモートデスクトップの使い方 Chromeリモートデスクトップを使うには、あらかじめホストとなるパソコン(オフィスのパソコン等)で設定を済ましておく必要があります。また、Chromeリモートデスクトップを使うときにクライアントとなるパソコン(自宅のパソコン)の設定が必要です。クライアントリモートデスクトップを導入する際は、次のようなホスト側、クライアント側の準備・設定が必要です。 ホスト側の設定 Chromeリモートデスクトップを使う前に、オフィスのパソコンに次のような設定を行います。 ツールのインストール ホストとなる端末に、以下のツールをインストールします。 ・Chromeブラウザ ・Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能) ※リモートデスクトップを実現する拡張機能 ・Chrome Remote Desktop Host(Chromeブラウザの拡張機能) ※クライアントからの接続を受け付ける拡張機能 ホストのセットアップ リモートアクセスの許可 「リモートアクセスの設定」で「オンにする」を指定します。 PINの設定 ホスト側の準備 ホスト側のパソコンが起動していないとリモートアクセスを利用できなくなるので、長時間操作をしなくてもホストがスリープしない/ノートパソコンの場合、ノートパソコンを閉じてもスリープしない設定が必要です。 クライアント側の設定と接続 Chromeリモートデスクトップを使うときに、自宅のパソコンで次のような設定が必要です。 ツールのインストール クライアントとなる端末に必要なツールをインストールします。必要なのは以下の2つです。 ・Chromeブラウザ ・Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能) ログイン Chromeリモートデスクトップ(クライアント)を起動し、ホストと同じGoogleアカウントでログインします。 リモートアクセスの開始 ホスト端末に設定した「ネットワーク上でのPC名」をクリックし、PINで認証します。以上でリモートアクセスが可能になります。 Chromeリモートデスクトップの削除 Chromeリモートデスクトップは不要になったら削除します。これは、不正なアクセスを防ぐためです。Windowsの場合は、「コントロールパネル」→「プログラム」→「プログラムの追加と削除」を開き、「Chromeリモートデスクトップ」を削除します。 Chromeリモートデスクトップを使うときの注意点 Chromeリモートデスクトップを利用するときは、次のような注意が必要です。 Chromeリモートデスクトップの危険性 Chromeリモートデスクトップは、GoogleアカウントとPINを知っていれば、誰でも利用可能です。そのため、GoogleアカウントとPINが漏えいすると、簡単に不正利用され、オフィスのパソコンの情報が漏えいしたり、マルウェアに感染させられたりしてしまいます。そのため、Googleアカウント情報とPIN番号は、きちんと管理しなければなりません。 Chromeリモートデスクトップが不要になったときは、拡張機能を確実に削除しておきましょう。そうすることで、不正利用を防ぐことができます。 Googleリモートデスクトップのセキュリティに関する注意事項は、ユーザーへの周知徹底が必要です。 なお、企業のセキュリティポリシーによっては、Chromeリモートデスクトップが許可されていない場合もあります。 トラブル対応が難しい リモートアクセスはオフィスから離れているため、トラブル対応が難しくなります。オフィスのパソコンにトラブルが発生したときは、出社が必要になります。また、自宅の端末のトラブルは、ユーザーが自力で解決しなければなりません。 データ通信量が膨大になる可能性がある インターネット経由でパソコンを操作するため、アクセスするたびにデータ通信が行われ、通信量が膨大になる可能性があります。多くの場合、自宅からのアクセスに関する通信費はユーザー(社員)が負担しているので、Wi-Fi接続などの準備が必要です。 セキュリティソフトやファイアウォールが原因で接続できないことも ホスト側のセキュリティソフトやファイアウォールにより、リモートアクセスが弾かれ、接続できないケースもあります。この場合は、情報システム部門での対応が必要です。 まとめ:Chromeリモートデスクトップは気軽に利用できるがセキュリティが心配 Chromeリモートデスクトップは、多くの人が所有している「Googleアカウント」を利用するため、気軽に利用できます。無料で使えるため、非常時の接続手段としても有効です。 ただし、セキュリティには十分注意する必要があります。企業としてセキュリティに不安がある場合は、より安全な接続方法を選択しなければなりません。 リモートアクセスの運用に不安がある場合は、セキュリティに関するソリューションを利用する方法もあります。CTCエスピー株式会社では、リモートアクセスに関するさまざまなソリューションを提供しています。たとえば、インターネット経由での接続をより安全にするVPN設定を実現する「FortiGate」や、安全なリモートデスクトップ環境を提供する「Soliton SecureDesktop」などです。安全なITの運用に不安がある場合は、ぜひご相談ください。 Splashtop for CACHATTO|CTCエスピー FortiGate|CTCエスピー 参考: Chromeリモートデスクトップの使い方。職場のPCを自宅から遠隔操作できる|できるネット 外出先からPCをWebブラウザで遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」入門|@IT 【2020年版】Chromeリモートデスクトップで外出先から自宅や会社のPCを遠隔操作してみる|アーティス Chromeリモートデスクトップの導入方法 使用するメリットと3つの注意点|TechMAGAZINE PCを遠隔操作!『Chrome リモート デスクトップ』の設定や接続できないときの対処法|TIME&SPACE by KDDI
コラム/トピック 2022/01/20 Tweet Chromeリモートデスクトップなら、テレワーク中もオフィスのパソコンを使える テレワークが増えるにつれ、「自宅でも快適に仕事ができる環境を整えたい」という要望が増えてきました。自宅や外出先など、離れた場所からオフィスのパソコンを使うときにお手軽なのが「Chromeリモートデスクトップ」です。Googleアカウントがあれば基本的に無料で使うことができ、マシンの種類やOSを選びません。この記事では、急遽リモートデスクトップが必要になったシーンを想定して、Chromeリモートデスクトップの概要や接続方法、注意点について説明します。 Chromeリモートデスクトップとは Chromeリモートデスクトップは、Googleが提供するリモート接続サービスです。「Google Chrome」の拡張機能の一つとして提供されています。 Googleのサーバーを経由することで、VPNなどを使わずに離れた場所から社内ネットワークにアクセスでき、社内のPCを遠隔操作することが可能です。 情報システム部門ではない、一般のユーザーでも比較的簡単に使えます。利用時にあらためて準備するものが少ないため、リモートデスクトップの中でも導入しやすい方法といえます。 リモートデスクトップとは インターネットを経由して、「手元の端末」から「離れた場所にあるパソコン」にアクセスし、遠隔操作をする技術の総称です。リモートデスクトップを利用すれば、「オフィスにあるパソコン(ホスト)」のファイルを「自宅の端末(クライアント)」にダウンロードすることができます。また、「自宅の端末」から「オフィスのパソコン」にファイルをアップロードすることも可能です。 テレワークが増えるにつれてリモートデスクトップを利用するユーザーが増えており、Chromeリモートデスクトップだけでなく、さまざまな方法が使われています。 リモートデスクトップについては、次の記事も参考にしてください。 ▶「リモートデスクトップを導入する最もシンプルな方法とは?」 ▶「VPNとリモートデスクトップを組み合わせて安全なテレワークを実現する」 Chromeリモートデスクトップの特徴 無料Google Chromeの拡張機能なので、インターネットにつながっていれば、誰でも無料で利用できます。 ブラウザベースで利用可能、対応OSが多いGoogle Chrome上、つまりブラウザ上で動作するため、さまざまな種類の端末、OSで使用できます。 ホストとして使えるOS:Windows、macOS、Linux、Chromebook クライアントとして使えるOS:Windows、macOS、Linux、Chromebook、iOS、Android 必要なものが少なく、技術的にも難しくない ネットワークや端末で必要となる設定が少なく、操作も簡単です。そのため、一般ユーザーでも手軽に利用できます。 Chromeリモートデスクトップに必要なもの 次のものがあれば、Chromeリモートデスクトップを利用できます。 Googleアカウント(ホストとクライアントで共通のものを使う) Webブラウザ「Google Chrome」と、その拡張機能 Google Chromeを操作できる端末 インターネット環境 Chromeリモートデスクトップの使い方 Chromeリモートデスクトップを使うには、あらかじめホストとなるパソコン(オフィスのパソコン等)で設定を済ましておく必要があります。また、Chromeリモートデスクトップを使うときにクライアントとなるパソコン(自宅のパソコン)の設定が必要です。クライアントリモートデスクトップを導入する際は、次のようなホスト側、クライアント側の準備・設定が必要です。 ホスト側の設定 Chromeリモートデスクトップを使う前に、オフィスのパソコンに次のような設定を行います。 ツールのインストール ホストとなる端末に、以下のツールをインストールします。 ・Chromeブラウザ ・Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能) ※リモートデスクトップを実現する拡張機能 ・Chrome Remote Desktop Host(Chromeブラウザの拡張機能) ※クライアントからの接続を受け付ける拡張機能 ホストのセットアップ リモートアクセスの許可 「リモートアクセスの設定」で「オンにする」を指定します。 PINの設定 ホスト側の準備 ホスト側のパソコンが起動していないとリモートアクセスを利用できなくなるので、長時間操作をしなくてもホストがスリープしない/ノートパソコンの場合、ノートパソコンを閉じてもスリープしない設定が必要です。 クライアント側の設定と接続 Chromeリモートデスクトップを使うときに、自宅のパソコンで次のような設定が必要です。 ツールのインストール クライアントとなる端末に必要なツールをインストールします。必要なのは以下の2つです。 ・Chromeブラウザ ・Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能) ログイン Chromeリモートデスクトップ(クライアント)を起動し、ホストと同じGoogleアカウントでログインします。 リモートアクセスの開始 ホスト端末に設定した「ネットワーク上でのPC名」をクリックし、PINで認証します。以上でリモートアクセスが可能になります。 Chromeリモートデスクトップの削除 Chromeリモートデスクトップは不要になったら削除します。これは、不正なアクセスを防ぐためです。Windowsの場合は、「コントロールパネル」→「プログラム」→「プログラムの追加と削除」を開き、「Chromeリモートデスクトップ」を削除します。 Chromeリモートデスクトップを使うときの注意点 Chromeリモートデスクトップを利用するときは、次のような注意が必要です。 Chromeリモートデスクトップの危険性 Chromeリモートデスクトップは、GoogleアカウントとPINを知っていれば、誰でも利用可能です。そのため、GoogleアカウントとPINが漏えいすると、簡単に不正利用され、オフィスのパソコンの情報が漏えいしたり、マルウェアに感染させられたりしてしまいます。そのため、Googleアカウント情報とPIN番号は、きちんと管理しなければなりません。 Chromeリモートデスクトップが不要になったときは、拡張機能を確実に削除しておきましょう。そうすることで、不正利用を防ぐことができます。 Googleリモートデスクトップのセキュリティに関する注意事項は、ユーザーへの周知徹底が必要です。 なお、企業のセキュリティポリシーによっては、Chromeリモートデスクトップが許可されていない場合もあります。 トラブル対応が難しい リモートアクセスはオフィスから離れているため、トラブル対応が難しくなります。オフィスのパソコンにトラブルが発生したときは、出社が必要になります。また、自宅の端末のトラブルは、ユーザーが自力で解決しなければなりません。 データ通信量が膨大になる可能性がある インターネット経由でパソコンを操作するため、アクセスするたびにデータ通信が行われ、通信量が膨大になる可能性があります。多くの場合、自宅からのアクセスに関する通信費はユーザー(社員)が負担しているので、Wi-Fi接続などの準備が必要です。 セキュリティソフトやファイアウォールが原因で接続できないことも ホスト側のセキュリティソフトやファイアウォールにより、リモートアクセスが弾かれ、接続できないケースもあります。この場合は、情報システム部門での対応が必要です。 まとめ:Chromeリモートデスクトップは気軽に利用できるがセキュリティが心配 Chromeリモートデスクトップは、多くの人が所有している「Googleアカウント」を利用するため、気軽に利用できます。無料で使えるため、非常時の接続手段としても有効です。 ただし、セキュリティには十分注意する必要があります。企業としてセキュリティに不安がある場合は、より安全な接続方法を選択しなければなりません。 リモートアクセスの運用に不安がある場合は、セキュリティに関するソリューションを利用する方法もあります。CTCエスピー株式会社では、リモートアクセスに関するさまざまなソリューションを提供しています。たとえば、インターネット経由での接続をより安全にするVPN設定を実現する「FortiGate」や、安全なリモートデスクトップ環境を提供する「Soliton SecureDesktop」などです。安全なITの運用に不安がある場合は、ぜひご相談ください。 Splashtop for CACHATTO|CTCエスピー FortiGate|CTCエスピー 参考: Chromeリモートデスクトップの使い方。職場のPCを自宅から遠隔操作できる|できるネット 外出先からPCをWebブラウザで遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」入門|@IT 【2020年版】Chromeリモートデスクトップで外出先から自宅や会社のPCを遠隔操作してみる|アーティス Chromeリモートデスクトップの導入方法 使用するメリットと3つの注意点|TechMAGAZINE PCを遠隔操作!『Chrome リモート デスクトップ』の設定や接続できないときの対処法|TIME&SPACE by KDDI