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Chromeリモートデスクトップなら、テレワーク中もオフィスのパソコンを使える

テレワークが増えるにつれ、「自宅でも快適に仕事ができる環境を整えたい」という要望が増えてきました。自宅や外出先など、離れた場所からオフィスのパソコンを使うときにお手軽なのが「Chromeリモートデスクトップ」です。Googleアカウントがあれば基本的に無料で使うことができ、マシンの種類やOSを選びません。この記事では、急遽リモートデスクトップが必要になったシーンを想定して、Chromeリモートデスクトップの概要や接続方法、注意点について説明します。

Chromeリモートデスクトップとは

094_02.pngChromeリモートデスクトップは、Googleが提供するリモート接続サービスです。「Google Chrome」の拡張機能の一つとして提供されています。

Googleのサーバーを経由することで、VPNなどを使わずに離れた場所から社内ネットワークにアクセスでき、社内のPCを遠隔操作することが可能です。

情報システム部門ではない、一般のユーザーでも比較的簡単に使えます。利用時にあらためて準備するものが少ないため、リモートデスクトップの中でも導入しやすい方法といえます。

リモートデスクトップとは

インターネットを経由して、「手元の端末」から「離れた場所にあるパソコン」にアクセスし、遠隔操作をする技術の総称です。リモートデスクトップを利用すれば、「オフィスにあるパソコン(ホスト)」のファイルを「自宅の端末(クライアント)」にダウンロードすることができます。また、「自宅の端末」から「オフィスのパソコン」にファイルをアップロードすることも可能です。

テレワークが増えるにつれてリモートデスクトップを利用するユーザーが増えており、Chromeリモートデスクトップだけでなく、さまざまな方法が使われています。

リモートデスクトップについては、次の記事も参考にしてください。

▶「リモートデスクトップを導入する最もシンプルな方法とは?」

▶「VPNとリモートデスクトップを組み合わせて安全なテレワークを実現する」

Chromeリモートデスクトップの特徴

  • 無料
    Google Chrome
    の拡張機能なので、インターネットにつながっていれば、誰でも無料で利用できます。
  • ブラウザベースで利用可能、対応OSが多い
    Google Chrome上、つまりブラウザ上で動作するため、さまざまな種類の端末、OSで使用できます。
      ホストとして使えるOSWindowsmacOSLinuxChromebook
      クライアントとして使えるOSWindowsmacOSLinuxChromebookiOSAndroid
  • 必要なものが少なく、技術的にも難しくない
    ネットワークや端末で必要となる設定が少なく、操作も簡単です。そのため、一般ユーザーでも手軽に利用できます。

Chromeリモートデスクトップに必要なもの

次のものがあれば、Chromeリモートデスクトップを利用できます。

  • Googleアカウント(ホストとクライアントで共通のものを使う)
  • Webブラウザ「Google Chrome」と、その拡張機能
  • Google Chromeを操作できる端末
  • インターネット環境

Chromeリモートデスクトップの使い方

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Chromeリモートデスクトップを使うには、あらかじめホストとなるパソコン(オフィスのパソコン等)で設定を済ましておく必要があります。また、Chromeリモートデスクトップを使うときにクライアントとなるパソコン(自宅のパソコン)の設定が必要です。クライアントリモートデスクトップを導入する際は、次のようなホスト側、クライアント側の準備・設定が必要です。

ホスト側の設定

Chromeリモートデスクトップを使う前に、オフィスのパソコンに次のような設定を行います。

  1. ツールのインストール
    ホストとなる端末に、以下のツールをインストールします。
    Chromeブラウザ
    Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能)
     ※リモートデスクトップを実現する拡張機能
    Chrome Remote Desktop HostChromeブラウザの拡張機能)
     ※クライアントからの接続を受け付ける拡張機能

  2. ホストのセットアップ

  3. リモートアクセスの許可
    「リモートアクセスの設定」で「オンにする」を指定します。
  4. PINの設定

ホスト側の準備

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ホスト側のパソコンが起動していないとリモートアクセスを利用できなくなるので、長時間操作をしなくてもホストがスリープしない/ノートパソコンの場合、ノートパソコンを閉じてもスリープしない設定が必要です。

クライアント側の設定と接続

Chromeリモートデスクトップを使うときに、自宅のパソコンで次のような設定が必要です。

  1. ツールのインストール
    クライアントとなる端末に必要なツールをインストールします。必要なのは以下の2つです。
    Chromeブラウザ
    Chromeリモートデスクトップ(Chromeブラウザの拡張機能)
  2. ログイン
    Chrome
    リモートデスクトップ(クライアント)を起動し、ホストと同じGoogleアカウントでログインします。
  3. リモートアクセスの開始
    ホスト端末に設定した「ネットワーク上でのPC名」をクリックし、PINで認証します。以上でリモートアクセスが可能になります。

Chromeリモートデスクトップの削除

Chromeリモートデスクトップは不要になったら削除します。これは、不正なアクセスを防ぐためです。Windowsの場合は、「コントロールパネル」→「プログラム」→「プログラムの追加と削除」を開き、「Chromeリモートデスクトップ」を削除します。

Chromeリモートデスクトップを使うときの注意点

Chromeリモートデスクトップを利用するときは、次のような注意が必要です。

Chromeリモートデスクトップの危険性

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Chromeリモートデスクトップは、GoogleアカウントとPINを知っていれば、誰でも利用可能です。そのため、GoogleアカウントとPINが漏えいすると、簡単に不正利用され、オフィスのパソコンの情報が漏えいしたり、マルウェアに感染させられたりしてしまいます。そのため、Googleアカウント情報とPIN番号は、きちんと管理しなければなりません。

Chromeリモートデスクトップが不要になったときは、拡張機能を確実に削除しておきましょう。そうすることで、不正利用を防ぐことができます。

Googleリモートデスクトップのセキュリティに関する注意事項は、ユーザーへの周知徹底が必要です。
なお、企業のセキュリティポリシーによっては、Chromeリモートデスクトップが許可されていない場合もあります。

トラブル対応が難しい

リモートアクセスはオフィスから離れているため、トラブル対応が難しくなります。オフィスのパソコンにトラブルが発生したときは、出社が必要になります。また、自宅の端末のトラブルは、ユーザーが自力で解決しなければなりません。

データ通信量が膨大になる可能性がある

094_06.pngインターネット経由でパソコンを操作するため、アクセスするたびにデータ通信が行われ、通信量が膨大になる可能性があります。多くの場合、自宅からのアクセスに関する通信費はユーザー(社員)が負担しているので、Wi-Fi接続などの準備が必要です。

セキュリティソフトやファイアウォールが原因で接続できないことも

ホスト側のセキュリティソフトやファイアウォールにより、リモートアクセスが弾かれ、接続できないケースもあります。この場合は、情報システム部門での対応が必要です。

まとめ:Chromeリモートデスクトップは気軽に利用できるがセキュリティが心配

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Chromeリモートデスクトップは、多くの人が所有している「Googleアカウント」を利用するため、気軽に利用できます。無料で使えるため、非常時の接続手段としても有効です。

ただし、セキュリティには十分注意する必要があります。企業としてセキュリティに不安がある場合は、より安全な接続方法を選択しなければなりません。

リモートアクセスの運用に不安がある場合は、セキュリティに関するソリューションを利用する方法もあります。CTCエスピー株式会社では、リモートアクセスに関するさまざまなソリューションを提供しています。たとえば、インターネット経由での接続をより安全にするVPN設定を実現する「FortiGate」や、安全なリモートデスクトップ環境を提供する「Soliton SecureDesktop」などです。安全なITの運用に不安がある場合は、ぜひご相談ください。

Splashtop for CACHATTO|CTCエスピー

FortiGate|CTCエスピー

参考:

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