Windows 10 IoT Enterprise LTSCの特長
Windows10 エディション一覧
Windows 10 IoT EnterpriseはPC向けWindows 10と同一もしくは上位の機能を持っており、PC向けWindows 10に設計されたアプリケーション・周辺機器と互換性があります。
Windows 10 Home | パソコン向け | 一般消費者向けエディション。多くの皆さんが使っているWindows10です。 |
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Windows 10 Pro | パソコン向け | 一般消費者(上級者)や企業向けエディション |
Windows 10 Enterprise | パソコン向け | 企業向けの高度なデバイス管理機能が追加された上位エディション。 セキュリティ+機能アップデート有り。SACと言われる更新方式です。 |
Windows 10 Enterprise LTSC | 専用機器向け | Enterpriseと同一の機能。組み込み向けライセンス。ライフサイクルは5年。 セキュリティアップデートのみ。LTSCと言われる更新方式です。 |
Windows 10 IoT Enterprise LTSC | 専用機器向け | Enterprise と同一の機能。組み込み向けライセンス。ライフサイクルは10年。 セキュリティアップデートのみ。LTSCと言われる更新方式です。 |
Smart Secure Clientは"LTCS(Long-Term Servicing Channel)"を採用しているから
Windows10の機能アップデートの課題から解放されるのです。
Windows 10 Iot Enterprise LTSC 2021とは
●LTSCは機能更新がないモデルがあるため、シンクライアントに最適
LTSCには、更新がセキュリティのみで、機能の追加や更新が行われないモデルがあります。
このため、長期間安定して動作することを優先する環境に適しています。
しかし、制限があり、OA機器での用途ではなく、シンクライアント専用機や特殊用途デバイスでの利用が対象となります。
●LTSCにもバージョンがある
LTSC 2021の機能は、バージョン 21H2 Windows 10がベースになります。
LTSCのバージョン | Win10のバージョン |
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Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2015 | 1507 |
Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2016 | 1607 |
Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2019 | 1809 |
Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021 | 21H2 |
Smart Secure Clientは"IoT LTSC 2021"を採用しているから、
最新の機能で10年間の長期利用がセキュアにできるわけですね。
Windows10 IoT Enteprise2019からの変更点
それでは、Windows10 IoT Enteprise 2021は、
前のバージョン「2019」とはどのように違うの?
変わっていないこと
- ●機能固定モデル(LTSC)と機能更新されるモデルの2つがリリースされる
- ●LTSCはリリースから10年間サポート: 2032/01/13まで
- ●Enterpriseで使用されている多くのインボックスセキュリティ機能を搭載
- ●ベースOSと機能が Windows 10 IoT Enterprise 21H2と同じ
- ・UWPアプリとストアが削除
- ・同じマンスリー累積ロールアップ(品質更新プログラム)を適用可能
- ●2019LTSCのロックダウン機能は引き続き利用可能
- ●System Image Manager Windows Configuration Designer等の構築ツールによる開発手法
- ●IoT 機器に使用するプロセッサ型番(スペック)で分類されるライセンス体系
変わったこと
- ●年2回更新(Semi Annual は年1回更新)General Availabilityに変更された
- ●より多くのIoT機器向け機能が追加される
- ・Dual Operator Dual focus Touch Input
- ・Soft Real Time
- ・イメージの最適化(フットプリントの削減)
- ・Device Update Center対応
- ・Azure EFLOW、WSL対応
- ●Edgeブラウザがプリインストール
- ●IoT Editionの表記
- ・Version 1903のSACバージョンリリースから対応した
- ・“Windows 10 IoT Enterprise”と表示される
- ・お客様の混乱を解消
- ・IoT機器をターゲットに新機能を提供するのが容易に
- ・Windows 10 Enterprise LTSC 2021のライフサイクルは5年(IoTは10年間のライフサイクルを継続)
Windows 10 IoT Enterprise SACとLTSCの違いについて
Windows 10 IoT Enterprise、Windows 11 IoT EnterpriseSAC版
- ●今後 年1回の機能更新 が計画されているサービスモデルです。
各バージョンごとに30カ月 or 36カ月のサポート期間が定められているため、安全に使用し続けるためには機能更新の適用が必要です。 - ●月1回の品質更新 が計画されています。品質更新にはバグ修正とセキュリティの更新が含まれています。
- ●Windows 10 IoTからWindows 11 IoTへ更新する場合は、別途アップグレードライセンスが必要です。
Windows 10 IoT Enterprise 2021 LTSCLTSC版
- ●機能更新が提供されない モデルです。各LTSCリリースごとに10年のサポート期間となります。
このため、同一の機能・ UIを維持したまま最大10年間、安全に使用し続ける事が可能です。 - ●月1回の品質更新 が計画されています。品質更新にはバグ修正とセキュリティの更新が含まれています。
- ●LTSCは2、3年ごとに新しいバージョンがリリースされる予定です。各バージョンは独立した製品であり、無償のアップグレードパスはありません。
ロックダウン機能
ロックダウン機能とは
ロックダウンとは、特定の操作を制限する機能です。
ロックダウン機能を使用することで、管理者が意図しないユーザーの操作を制限したり、画面に表示される情報をコントロールすることができます。
●ロックダウン機能は組み合わせて使用
ロックダウン機能を適切に組み合わせて使用することで、より”専用端末化”を高めることができます。
◎デバイス例:
- ●このデバイスは、電源を投入すると、ユーザーに予め指定されたプログラムのみが起動します。
- ●この環境からはデスクトップやコントロールパネルにアクセスすることは出来ず、ユーザーがデータや設定の変更を行っても永続化はせず、再起動で初期環境に戻ります。
- ●管理者は、Windowsのフル機能にアクセスすることが可能で、メンテナンス等を行うことが出来ます。
- ●このデバイスがWindows OSであることを意識させる要素はできるだけ排除します。
適用する設定 | 使用する機能 | 概要 | |||
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認証方式 | Windowsブランド要素の非表示化 | 解説 | Unbranded Boot Custom Logon |
CPU | 起動・再起動・終了時やサインイン時のWindows要素の表示を抑制します。 |
解説 | カスタムシェルの設定 | CPU | Shell Launcher 自動サインイン |
ネットワーク | 電源投入で、デバイスは指定されたプログラムのみが動作する環境にサインインします。 |
解説 | キーボードショートカットの禁止 | CPU | Keyboard Filter | ネットワーク | タスクマネージャの起動やプログラムの終了などを抑制します。 |
解説 | 管理者によるメンテナンス | CPU | Keyboard Filter | ネットワーク | Breakoutにより、管理者はWindowsのフル機能にアクセスできます。 |
解説 | ディスク変更の永続化禁止 | CPU | Unified Write Filter | ネットワーク | 再起動や電源再投入で変更前の状態へ戻ります。 |