Zoomには、Zoom Roomsというサービスがあります。Zoom Roomsは「オンラインのテレビ会議システム」を実現してくれるサービスで、よく使われているZoomミーティングとは異なり、会議室単位で利用するものです。Zoom Roomsがあれば、Zoomミーティングよりも気軽にミーティングを行えるため、コミュニケーションも活発になります。この記事では、「Zoom Roomsの概要」と「Zoomミーティングとの違い」について説明します。
Zoom Roomsとは
Zoom Roomsは Zoomが提供するサービスの一つで、「オンラインのテレビ会議システム」です。 Zoom Rooms専用の PCを常設して「テレビ会議システム」として利用します。
Zoom Roomsの特長
まずは、Zoom Roomsの特長について簡単に紹介しておきます。
Poly タブレット
1．操作が簡単
Zoom Roomsは、コントローラーとなるタブレットから操作します。タブレットからワンタッチで開始／終了、ミーティングへの参加などを実行できます。専用端末となるPCは常にZoomにサインインしているため、あらためてアカウントを取得したり、サインインしたりする必要はありません。他の場所から参加する方は、通常のZoomミーティングと同様に、PC／タブレット／スマートフォンなどのデバイスから会議に参加します。
2．安定した環境と高品質な画質・音質
Zoom Roomsでは、専用のPCを使って接続します。カメラやマイク、スピーカーも別に用意するので、高品質な映像・音声でテレビ会議を実現できます。独自のデータ圧縮方式を利用しており、通信環境も非常に安定しています。
3．カレンダー統合
GoogleカレンダーやOffice 365、Exchange のカレンダーと統合して、ミーティングのスケジュールを一覧表示したり、リマインダーを表示したりできます。会議室の管理や予約も簡単です。
4．会議のないときは広告や告知に利用可能
テレビ会議を行わないときは、Zoom Roomsの専用端末をデジタルサイネージとして利用し、画像や動画を表示しておくことも可能です。
従来のテレビ会議システムとの違い
従来のテレビ会議システムは、すべての会議室に専用線と専用端末が必要でした。映像や音声の品質は高くなりますが、場所が固定されてしまう（移動できない）という弱点がありました。一方、 Zoom Rooms は、インターネット（外部の回線）と専用端末、コントローラーだけでテレビ会議システムを実現できます。このため、非常に手軽に設置でき、インターネットがつながっていれば移動することも可能です。
Zoom Rooms に必要なもの
・PC
Zoomアプリケーションをインストールし、Zoom Rooms専用端末として使用します。
・タブレット
Zoom Rooms用コントローラーのアプリケーションをインストールし、コントローラーとして使用します。
・Webカメラ
・マイク、スピーカー
・モニター
「Zoom Roomsアプリケーション」と「Zoom Rooms用コントローラーのアプリケーション」
それぞれ、PCとタブレットにインストールします。
・Zoom Roomsのライセンス
Zoom Rooms の用途
Zoom Rooms は、多くの拠点から多人数が参加するミーティング、複数人で相互にやり取りする会議などに向いています。資料共有や画面共有も可能です。一般的には、次のような用途に使われています。
複数の拠点をつないだ会議
高画質や高音質を生かした、クライアントとの定期ミーティングやコンサルティング
社内研修や講義、授業など
Zoom Rooms と Zoom ミーティングとの違い
続いては、「 Zoom ミーティング」と「 Zoom Rooms 」の違いについて紹介していきます。
Zoom ミーティング
Zoom ミーティングは「オンライン会議システム」です。
・別々の場所にいるメンバーが、それぞれの端末から個別に参加する
・会議室はホストが開設し、参加メンバーを招待する
・ネット環境とPC、スマートフォンなどの端末があれば、いつでも、どこからでも参加できる
・画面共有できるのは参加している端末のみ
Zoomミーティングについては、以下の記事も参考にしてください。
Zoom Rooms
Zoom Rooms は、オンラインの「テレビ会議システム」です。
- 常設型のZoom Rooms専用端末（PC）とコントローラー（タブレット）を利用する
- Zoom Rooms専用端末からは、同じ会議室にいる複数のメンバーが参加できる
- Zoom Rooms専用端末から参加するメンバーは、それぞれのPCを持ち込み可能
- 複数の離れた場所にいるメンバーもテレビ会議に参加可能
- 参加メンバー各自のPCから画面共有が可能
（参考） Breakout Rooms とは？
Zoom には Breakout Rooms という機能もありますが、こちらは「 Zoom ミーティング」の機能の一つです。「 Zoom Rooms 」とよく似た名前ですが、本記事で紹介している「 Zoom Rooms 」とは関係ありません。
「 breakout room 」は分科会室、小会議室という意味を示す英単語で、 Zoom の Breakout Rooms は「メインの Zoom ミーティングから分割されたセッション」のことを指しています。この機能を使うと、ホストから招待されたメンバーだけでディスカッションや共同作業が可能となります。
Zoom Rooms のメリット
続いては、「 Zoom Rooms 」のメリットについて紹介していきます。
常設の端末・回線、いつでも使える
専用の端末を使用するため、そのつど PC をセットアップしたり、サインインしたりする必要はありません。 Web カメラ、マイク、スピーカーといった周辺機器もセッティング済みなので、すぐに使うことができます。個人の PC から Zoom にサインインする必要はなく、会議中でも自分の PC は自由に利用できます。
ライセンスは会議室単位、誰でも使える
Zoom Rooms のライセンスは、会議室、つまり専用端末で管理されています。この専用端末から誰でも Zoom Rooms を使うことが可能です。 Zoom のライセンスを持たないユーザーも問題なく使えるので、個人のライセンス管理は必要ありません。
小さなスペースでも大人数の会議を開催可能
Zoom Rooms の専用端末を設置する会議室は小さくても構いません。専用端末とコントローラーを設置するスペースと、参加するメンバーが入れるスペースがあれば十分です。オンライン会議には、ビデオ参加者は 1,000 名まで、閲覧のみの出席者は 10,000 名まで参加可能です。マルチ画面型ビデオと画面共有を使うことで、多くのメンバーが参加できます。
Zoom Roomsの使い方
最後に、 Zoom Rooms を利用するときの手順を簡単に説明します。
1．ライセンスの取得
会議室単位で Zoom Rooms ライセンスを購入します。
2．セットアップ
専用端末とする PC 、コントローラーとするタブレット、インターネット回線を準備して接続します。また、必要に応じてセキュリティの設定を行います。専用端末（ PC ）に取り付ける Web カメラ、マイク、スピーカー、モニターなども準備します。なお、状況によっては、それぞれのデバイスのファームウェアのアップデートが必要になります。
3．Zoom Roomsを追加
PC に「 Zoom Rooms アプリケーション」をインストールし、タブレットに「 Zoom Rooms 用コントローラー」をインストールします。続いて、アプリケーションに Zoom Rooms を管理できるユーザーを追加します。この作業には Zoom Rooms のライセンスが必要です。さらに、 Google カレンダーや Office 365 、 Exchange のカレンダーとの統合を設定します。
4．Zoom Roomsの利用開始
コントローラーから Zoom Rooms を開始／終了します。テレビ会議は、事前予約をしたうえで開催することも、突発的に開催することも可能です。 Zoom Rooms の参加者は、 Zoom の連絡先から招待します。
まとめ： Zoom Rooms があれば気軽にテレビ会議を使える！
オフィスに Zoom Rooms があれば、個人のライセンス保有状況に関係なく、誰でも気軽にテレビ会議を利用できます。オンラインミーティングとしても幅広く活用できるでしょう。高画質・高音質で安定した接続により、客先とのコミュニケーションにも利用しやすくなります。
Zoom Rooms の効果を十分に活かすには、ノウハウのあるベンダーのサポートを利用するのがお勧めです。 CTC エスピーでは、 Zoom Rooms を活用するための会議室用システムをパッケージでご提案しています。さらに推奨するハードウェアのレンタルも可能です。 Zoom Rooms の導入を検討されているなら、ぜひお問い合わせください。
