コラム/トピック

3分で読める!クラウドの可用性対策4選と落とし穴

クラウドファーストとして、昨今、重要なシステムの構築・移行先として多く採用されているクラウド環境。

しかし、2019年のAWS東京リージョンにおける大規模障害に見られるように、クラウド環境においても障害が発生しうることは考慮しておかなければ、大きなビジネス損失に繋がります。

本記事では、AWSを題材として、クラウドの障害対策でよく採用されている4つの手法と、最も信頼性のある構成についてご紹介します。

クラウド環境における可用性の落とし穴

クラウド環境には既に多くの可用性機能が備わっていますが、どの範囲で可用性が担保されているのでしょうか。

図のように、IaaS、PaaS、SaaSによってクラウドベンダーの責任範囲が異なりますが、
既存システムのクラウド移行に多く採用されるIaaSに至っては、基盤部分のみが対象となっていることがわかります。
もしもこのまま他に障害対策をしていなかった場合、OS、ミドルウェア、アプリケーションの障害を自動で検知・復旧することができません。

ではどうすれば良いか、代表的な障害対策手法をみていきましょう。

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クラウド環境でよく使用される障害対策4選

本記事ではAWSを題材としていますが、一般的によく使われる障害対策として、次の4つがあげられます。

① クラウドの標準機能による対策(Auto Recovery)
⇒物理ホスト側の問題を検知してEC2インスタンスを自動復旧してくれるサービス

② 監視ツールと手動操作による対策
⇒監視ツールが障害を検知したら手動で再起動

③ バックアップによる対策
⇒バックアップを取った時点の状態に確実に戻す

④ AZを跨ぐように構成したHAクラスターによる対策
⇒稼働系と待機系でサーバーを2台用意し、稼働系システムに障害が発生した際に自動的に待機系システムに切り替える仕組み

①~③の対策手法は多くのシステムで採用されているかと思いますが、このままではシステムの停止時間・復旧時間に時間を要してしまうことがあります。そのため、システムの要件によっては十分な障害対策であるとは言い切れません。

では、①~③では要件を満たせないような、止められない重要システムの場合にはどうすれば良いのでしょうか?

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※RPO:障害が発生した際、時間の流れをどの地点までさかのぼったシステムのデータを復旧させるかを表す指標。
     Recovery Point Objective(目標復旧地点)
※RTO:破損したデータをいつまでに復旧するのかを示めす指標
      Recovery Time Objective(目標復旧時間)

止められない重要なシステムの可用性対策

止められないシステムをクラウド環境で利用する場合には、基盤部分だけでなく、
システム全体の障害を自動的に検知して別のAZかつ自動で復旧できる仕組みが有効となります。

そこで、「④HAクラスターによる対策」です。

例えば、サイオステクノロジーのHAソリューションは、負荷分散クラスターだとコストが合わない、プラットフォームの標準機能だけでは障害対策が不十分であるといった要件のお客様ご採用いただいています。

実際に2019年8月に起きたAWS東京リージョンでの大規模障害においても、サービス提供を継続することができました。

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※図の注釈:こちらの構成図は一例となります

Windowsでさらにコストを抑えるHAソリューション

さらに、Windowsの標準機能であるWSFC(Windows Server Failover Cluster)と、リアルタイムレプリケーションソフトのDataKeeperを併用することにより、共有ストレージがもてないクラウド環境においてもHAクラスターを組むことができます。

サイオステクノロジーのDataKeeperはMicrosoft社公認のレプリケーションソフトとなっており、重要なシステムにおいても非常に多くの実績があります。

Windows OSであれば、しっかりとした障害対策をさらにローコストで実現可能です。

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まとめ

昨今では多くの重要システムがクラウド環境に移行されており、今後ますます需要が伸びていくと想定されます。
本記事ではクラウド環境での可用性範囲と、システム要件によって必要となる障害対策について紹介しました。このように様々な選択肢があるなかで、コストやシステム停止の許容時間等、それぞれ要件に合わせて対策をとることが重要です。

CTCエスピーは、本記事で例に挙げましたサイオステクノロジーの「LifeKeeper」「DataKeeper」の販売・構築サービスを行っております。

クラウド環境の可用性について課題を抱えていたり、検討を行っている企業はぜひご相談ください。

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